パトロールの道

2009.07

 今回は 東京都板橋区 ときわ台駅前の交番に勤務していた警察官の話をすることにします。
そして、同じ志をもつ警備の仕事をする人たちの共有する使命についてお話をしようと思います。

 それは、常日ごろ命の大切さを子供たちに教えていた、一人のやさしい宮本さんという警察官の話です。
2007 年 2 月 6 日、踏み切り前の交番で勤務していたとき、一人の女性が しゃ断機を潜ろうとしているのを知りました。
自殺しようとしていたのです。
  それを見た宮本さんは身の危険も顧みず、救助し女性は助かり、自らは息をひきとることになりました。
『実録ドラマ・死ぬんじゃない!〜宮本警部の遺したもの〜』これは、 2008 年 2 月にテレビで 金曜プレステージの 「千の風になって」シリーズ第4弾で放映されたタイトルです。
『伏してぞ止まん ぼく、宮本警部です』 ( 著・山口秀範 ) のタイトルで絵本にもなり、宮本さんの母校である 札幌市立幌北小学校でも授業に取りあげられました。
 地元の人たちは、宮本さんの日頃積み重ねられた些細な奉仕に、いつも感謝の気持ちを抱いていました。
 板橋区民のその気持ちは日毎に膨らみ、一年後には有志により「その勇気を忘れないで」という曲と歌が作られ 2008 年 3 月に 板橋区立文化会館で、いろいろなジャンルで歌い上げる特別コンサートが催されました。
歌手カンノさんの手で英語バージョンも作られました。
 時間が経つに従って宮本さんの遺したものは徐々に広がり今年 3 月には、その歌は手話とも言われているフラダンスになって本場ハワイでも公開されるまでになりました。

 警備に携わる人は、逮捕はできなくても、現行犯を捕まえて警察に引き渡すことはできます。
交通整理の警備員は、 なんの強制力はなくても通行する方々の安全を願い誘導しています。
トピックスの第5号にも書いてありますが、人命を救助したときの晴れ晴れとした気持ちは警備マンの生きがいです。

 人間は誰しもお金がなければ生きていけないでしょう。
上を見たら限がないでしょう。下を見ても限がないのも事実です。
お金を稼ぐのは、生きるため、真の目標に向かうための手段だと思います。
 「物事」という言葉がありますが、人間の真の幸せは、財物を越えた「事」、すなわち「物」に対する働きかけや仕事など、物に魂を入れる にあると思います。
豊かな心を慈しみ育て、人々に感謝される幸福感を得ることが真の目的ではないでしょうか。
それは、その人の中にいつまでも残り、決して失うことのないものです。

 今までのトピックスに何度か紹介した弊社の武士道の「道」は、パトロール警備にも共通するハートです。
警備マンは人々の財産や体の安全を願い日々努力しています。
厳しい仕事ほど達成したときの喜びは大きいものです。
 人間は、肉体的にも精神的にも、限界まで追い込まれるとアドレナリンが分泌されるそうです。
そのような状況時に物事が良い方向で解決すると、分泌されたホルモンの影響から喜びに泣けることを感じた人も多いと思います。
それが人間としての本当の幸せであり、生きる目的ではないでしょうか。

  警視庁板橋署常盤台交番に勤務していた宮本警部の心根「誠実・誠心・誠意」を具現化し制作し た記念碑(誠の碑)も、近くに建てられ今でも人々の心の中で生き続けています。

誠の碑